院長からのご挨拶

院 長 稲 吉  康 治

 済生会は、明治天皇の済生勅語(貧しくて医療を受けられない人たちにも医療、福祉の手を差し伸べるようにというお言葉)に基づいて明治44(1911)年に設立され100年以上の歴史の中で発展してまいりました。現在は、第6代総裁の秋篠宮皇嗣殿下のもと、生活困窮者をすくう・医療で地域のいのちを守る・会を挙げ医療と福祉の切れ目のないサービスを提供する、という三つの目標を掲げ、日本最大の社会福祉法人として6万人超の職員が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
 済生会大牟田病院は、昭和8(1933)年に恩賜財団福岡県済生会大牟田診療所として開設され、増築・増床を重ね、平成13(2001)年には新しく現病院が竣工いたしました。その間90年近くを、明治天皇から賜った済生会の理念を基本に、大牟田・有明地区の中核病院として地域住民の皆様方への医療を提供してまいりました。
 当院が所在する有明二次医療圏は御多分に洩れず人口が減り続け、日本でも有数の高齢化社会を迎えています。大牟田市の高齢化率は全国平均を大幅に超える超高齢社会で、日本の将来予測の約20年先を突き進んでいます。このような社会環境の中、地域医療体制の充実に貢献するため、有明地区の二次救急病院としての救急医療、災害医療、最新医療機器による癌や各種疾病の早期発見・早期治療はいうまでもなく、より質の高い医療を提供し、急性期医療の充実に努めています。また、60名近いリハビリスタッフにより、脳血管疾患や運動器疾患はもとよりガン、呼吸器、心血管疾患を持つ患者様には集中的なリハビリテーションを実施し、できるだけ早期に自宅や社会に戻っていただくことを目的とした回復期リハビリテーション病棟や通所リハビリテーションも行なっております。
 済生会大牟田病院は、済生会大牟田医療福祉センターの中核として、併設の「介護老人保健施設大牟田ライフケア院」や「訪問看護ステーションなでしこ」等の在宅介護医療分野と、有機的かつ強固な連携協働を行い、常に地域住民の皆様方より親しまれ、信頼され、選ばれる済生会を目指しています。さらに“困った人に手をさしのべる”という済生会理念のもとに、生活困窮者を始めとした無料低額診療事業「なでしこプラン」にも力を注いでいるところです。
 現在、国の医療政策による医療機能や病床機能の統合・再編など、医療を取り巻く社会情勢には厳しいものがありますが、済生会大牟田病院は今後も、済生会人として伝統の中で培った“済生”の心をしっかりと抱きしめ、地域に生きる人達の命を支え、健やかな身体が育まれますよう職員一同研鑽を積み重ね、力の限りその務めを果たしてまいります。

病院の理念

基本理念

済生会設立の原点である「困った人に手をさしのべる」を基に、
保健・医療・福祉のサービスを総合的に提供いたします。

1. 健康 健康診断、栄養・生活指導などを通して地域住民の皆様の健康づくりのお手伝いをいたします。

2. 医療 人間関係尊重の原則から、相互の信頼関係に基づいた、心の通った医療を行います。

3. 福祉 「その人が、その人らしく」安心してすごすことができる様に、看護・介護のサービスを提供します。

基本方針

私たちは、永い歴史と伝統の中で培った“済生”の心をしっかりと
抱きしめ、地域住民の人々の生命を守り、皆様が健やかな体が
はぐくまれるよう、力の限り務めを果たしてまいります。

1. 人権と意志の尊重

2. 良質な医療の提供

3. 救急医療の充実

4. 安心と信頼

患者様の
権利憲章

1. 患者様は、個人として常にその人格を尊重され、良質な医療を平等に受ける権利があります。

2. 患者様は、良質な医療環境で診察を受ける権利があります。

3. 患者様は、検査や治療を受けるときには、よく理解できる言葉で説明を受け自らの意志でそれを選択・決定する権利があります。

4. 患者様は、自身の病気や診療のことで疑問があれば、質問する権利があり、所定の手続きをとることにより、自身の診療録の開示を求める権利があります。

5. 患者様は、個人の情報やプライバシーについて保護される権利があります。

6. 患者様は、良質な医療を実現するため、医療提供者に対し自身の健康に関する情報を正確に提供する責務があります。

7. 患者様は、全ての患者が等しく、良質な医療を受けられるように配慮し、他の患者様の治療や病院職員の医療提供に支障をあたえないようにする責務があります。

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